哲学のプロムナード(ΦωΦ)黒猫堂

推理小説やSFのレビュー・書評・ネタバレ解説・考察などをやっています。時々創作小説の広報や近況報告もします。

東野圭吾『仮面山荘殺人事件』 レビュー

八人の男女が集まる山荘に、逃亡中の銀行強盗が侵入した。外部との連絡を断たれた八人は脱出を試みるが、ことごとく失敗に終わる。恐怖と緊張が高まる中、ついに一人が殺される。だが状況から考えて、犯人は強盗たちではありえなかった。七人の男女は互いに疑心暗鬼にかられ、パニックに陥っていった…。

・レビュー

文章が単調。故に誰にでも読めるし人気があるのだろうというのがまず思ったこと。
ストーリーは構成が見事だが、綾辻行人の『十角館の殺人』を読んだ後だったからか、トリックは思いの外簡単に見破れた。冴えてない日なら騙されて高評価という感じに落ち着いたかもしれないが、見破ってしまうとやや物足りない。
ただし、普通に考えてよくできているとは言える。というか、これが失敗作ということはないだろうと私は思う。見事であるが、やはり少々書き方に個性がなかったのかもしれない。
騙されたい人は、流すように読了すれば驚きと爽快感は得られると思う。
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