貫井徳郎 『神のふたつの貌』レビュー
―神の声が聞きたい。牧師の息子に生まれ、一途に神の存在を求める少年・早乙女。彼が歩む神へと到る道は、同時におのれの手を血に染める殺人者への道だった。三幕の殺人劇の結末で明かされる驚愕の真相とは?巧緻な仕掛けを駆使し、“神の沈黙”という壮大なテーマに挑んだ、21世紀の「罪と罰」。
・レビュー
これは面白い小説だった。・・・が、万人向けかというと怪しい。少なくとも聖書とユダヤ教・キリスト教の勉強をしていないとなかなか深い考察は出来そうもない。巻末の解説を読めば幾分解るかもしれないが。
その一方で、プロテスタント教会にカトリック教会の特徴があったり、少々設定が甘いところがある。
旧約聖書と新約聖書、ヤハウェとイエス、視点(観点)のレヴェルの上下関係、罪と罰、これらをミステリに落とし込んだ構成は見事。
神というものの存在意義を幼い頃から「論理的な懐疑」とともに思い耽っていたような、思考好きの読者ならば、なかなか得るものはあるように思う。
・レビュー
これは面白い小説だった。・・・が、万人向けかというと怪しい。少なくとも聖書とユダヤ教・キリスト教の勉強をしていないとなかなか深い考察は出来そうもない。巻末の解説を読めば幾分解るかもしれないが。
その一方で、プロテスタント教会にカトリック教会の特徴があったり、少々設定が甘いところがある。
旧約聖書と新約聖書、ヤハウェとイエス、視点(観点)のレヴェルの上下関係、罪と罰、これらをミステリに落とし込んだ構成は見事。
神というものの存在意義を幼い頃から「論理的な懐疑」とともに思い耽っていたような、思考好きの読者ならば、なかなか得るものはあるように思う。