映画『脳男』レビュー
脳男
生まれつきの常識では考えられないほどの高い知能と、驚異的な肉体を兼ね備えるも、人間らしい感情はない謎めいた男・脳男をめぐるバイオレンス・ミステリー。第46回江戸川乱歩賞を受賞した首藤瓜於の小説を原作に、『犯人に告ぐ』などの瀧本智行が監督を務め、『八日目の蝉』の成島出が脚本を担当。感情を持たない冷徹な男には、『僕等がいた』シリーズの生田斗真がふんし新境地を開拓。共演には松雪泰子と江口洋介、『ヒミズ』の二階堂ふみ、染谷将太ら多彩な顔ぶれがそろう。
レビュー
というわけで就活生にもかかわらずやたらと映画を観たのでまた紹介。
群馬に帰省して暇になったから5本も邦画借りてきて4本観てしまったのでまだしばらく続きます。
さて今回は『脳男』。これって乱歩賞の原作だったんだね。
これは結構面白かった。よく出来てたし、もっと評価されても良かったんじゃないかなと思う。
生田斗真もかなりうまかったし、何より二階堂ふみがすごかったな。凄まじかったねアレはw
この映画、地味にキャストがいい。
その分、あんまり活躍してないんじゃないかという感じの役までお金の掛かりそうなキャストで固められてる印象でちょっと驚いたシーンも……
江口洋介の役は一応重要な役回りなんだけれど、説明不足というかなんというか、あんな奇抜な役と主役級の役者で演出するほどだったのかなぁ……w
あと映画オリジナルの太田莉菜の役も必要だったのかどうか……
染谷将太の役は良かったね。味がある。
内容は中盤かなり引き込まれる。テーマと設定がまず面白いしね。
何より最後の10分が良かったな。
というか最後の10分で評価を決する感じの内容で、後に引く終わり方だった。
ここからネタバレ
これは続編あるのかな?
人間の罪は軟な精神医療やセラピーじゃ消えないし更生もできないというようなビターバッドエンド的な終わり方だったのだけれど、僕はそこが良かったなと思った。
妙な違和感のあるハッピーエンドよりは、筋の通ったバッドエンドのほうが格段にクオリティが高い。バッドエンドというだけで嫌う人は僕は好きじゃない。と言ってもそういう人は多いから、作り手も最大公約数的なヒットを狙ってバッドエンドは避けがちなんだよね。
この作品はそういう誘惑には負けていない。
続編があるなら、ぜひ観てみたいし、ちょっと原作にも興味がわいた。説明や過程を演出する尺の余裕は無かったようで、原作のほうが丁寧かもしれないと思ったので。