哲学のプロムナード(ΦωΦ)黒猫堂

推理小説やSFのレビュー・書評・ネタバレ解説・考察などをやっています。時々創作小説の広報や近況報告もします。

鈴木光司『楽園』レビュー

太古のゴビ砂漠。部族の若者ボグドは、美しき少女ファヤウを自らの力で迎え入れ、夫婦となるが、他部族の襲撃により引き裂かれてしまう。ボグドは、遙か彼方に連れ去られた妻の姿を求め、一人旅立つが…!?そして、舞台は18世紀南太平洋、現代アメリカの地底湖へ。時空を超えた愛の邂逅と、戦うがゆえに手にできる“楽園”の意味を壮大に描く、日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作にしてデビュー作。

・レビュー

古代→中世→現代という時代を舞台にした三部構成だが、物語は一貫する意志で繋がる。
特に面白いのは18世紀南太平洋を舞台にした第二部。鈴木光司の作品には個性的で特異なキャラクターが登場するが、第二部のタイラーというキャラクターは 鈴木光司作品特有の「強い男」そのもの。主人公でない所がまた面白い。
鈴木光司の作品の原点で、いろんな鈴木光司作品の要素が含まれている。
この作品で描かれる遺伝子で繋がる愛情は感動できる。
哲学のプロムナード(ΦωΦ)黒猫堂はamazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。