【二人の名探偵と衝撃のラスト】麻耶雄嵩『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』 レビュー/後半でネタバレ
新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)
- 作者: 麻耶雄嵩
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/03/07
- メディア: 新書
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目次
- 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件
- レビュー
- ネタバレ
翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件
首なし死体、密室、蘇る死者、見立て殺人……。京都近郊に建つヨーロッパ中世の古城と見粉うばかりの館・蒼鴉城を「私」が訪れた時、惨劇はすでに始まっていた。2人の名探偵の火花散る対決の行方は。そして迎える壮絶な結末。島田荘司、綾辻行人、法月綸太郎、三氏の圧倒的賛辞を受けた著者のデビュー作。
レビュー
先に述べておくと、この小説は基本的にミステリ慣れしている、特に本格と呼ばれるある形式に則った探偵小説世界に慣れ親しんでいる人向けのミステリであると言えるだろう。
というのもこれを書いておかないと賛否両論がとにかく激しいこの作品の理解は正しくなされないからである。
続きを読む【常人不在のペダントリー】小栗虫太郎『黒死館殺人事件』 レビュー/後半でネタバレ
目次
- 黒死館殺人事件
- 読了へ向けての難易度の高さ
- 具体的な魅力
- 作中にまともな人間はいない??
- まとめ
- ネタバレ
黒死館殺人事件
昭和初期の探偵小説ブームを作った作家、小栗虫太郎の長編小説。初出は「新青年」[1934(昭和9)年]。夢野久作「ドグラ・マグラ」、中井英夫「虚無への供物」と共に日本探偵小説史上の「三大奇書」と呼ばれる小栗の代表作。
豪壮を極めたケルト・ルネサンス様式の城館「黒死館」の当主降矢木算哲博士の自殺後、屋敷住人を血腥い連続殺人事件が襲う。奇々怪々な殺人事件の謎に、刑事弁護士・法水麟太郎がエンサイクロペディックな学識を駆使して挑む。江戸川乱歩も絶賛した本邦三大ミステリのひとつ、悪魔学と神秘科学の結晶した、めくるめく一大ペダントリー。
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