哲学のプロムナード(ΦωΦ)黒猫堂

推理小説やSFのレビュー・書評・ネタバレ解説・考察などをやっています。時々創作小説の広報や近況報告もします。

【二人の名探偵と衝撃のラスト】麻耶雄嵩『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』 レビュー/後半でネタバレ

 

翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)

翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)

 
新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)

新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)

 

 

 

目次

 


翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件

首なし死体、密室、蘇る死者、見立て殺人……。京都近郊に建つヨーロッパ中世の古城と見粉うばかりの館・蒼鴉城を「私」が訪れた時、惨劇はすでに始まっていた。2人の名探偵の火花散る対決の行方は。そして迎える壮絶な結末。島田荘司綾辻行人法月綸太郎、三氏の圧倒的賛辞を受けた著者のデビュー作。


レビュー


先に述べておくと、この小説は基本的にミステリ慣れしている、特に本格と呼ばれるある形式に則った探偵小説世界に慣れ親しんでいる人向けのミステリであると言えるだろう。

というのもこれを書いておかないと賛否両論がとにかく激しいこの作品の理解は正しくなされないからである。

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【常人不在のペダントリー】小栗虫太郎『黒死館殺人事件』 レビュー/後半でネタバレ

 

黒死館殺人事件
 

 

目次

  • 黒死館殺人事件
  • 読了へ向けての難易度の高さ
  • 具体的な魅力
  • 作中にまともな人間はいない??
  • まとめ
  • ネタバレ

 

黒死館殺人事件

昭和初期の探偵小説ブームを作った作家、小栗虫太郎の長編小説。初出は「新青年」[1934(昭和9)年]。夢野久作ドグラ・マグラ」、中井英夫「虚無への供物」と共に日本探偵小説史上の「三大奇書」と呼ばれる小栗の代表作。
豪壮を極めたケルトルネサンス様式の城館「黒死館」の当主降矢木算哲博士の自殺後、屋敷住人を血腥い連続殺人事件が襲う。奇々怪々な殺人事件の謎に、刑事弁護士・法水麟太郎がエンサイクロペディックな学識を駆使して挑む。江戸川乱歩も絶賛した本邦三大ミステリのひとつ、悪魔学と神秘科学の結晶した、めくるめく一大ペダントリー。

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井上真偽 『その可能性はすでに考えた』 レビュー/後半でネタバレ

その可能性はすでに考えた (講談社ノベルス)

その可能性はすでに考えた (講談社ノベルス)

 

 

目次

  • その可能性はすでに考えた
  • レビュー 
  • ネタバレ

 

その能性はすでにえた

かつて、カルト宗教団体が首を斬り落とす集団自殺を行った。その十数年後、唯一の生き残りの少女は事件の謎を解くために、青髪の探偵・上笠丞と相棒のフーリンのもとを訪れる。彼女の中に眠る、不可思議な記憶。それは、ともに暮らした少年が首を斬り落とされながらも、少女の命を守るため、彼女を抱きかかえ運んだ、というものだった。首なし聖人の伝説を彷彿とさせる、その奇蹟の正体とは…!?探偵は、奇蹟がこの世に存在することを証明するため、すべてのトリックが不成立であることを立証する!! 

 

レビュー 

粗い部分は多いが面白い。発想を存分に活かして作品に落とし込んでいるのがよく解る。

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森晶麿 『黒猫の遊歩あるいは美学講義』 レビュー

 

黒猫の遊歩あるいは美学講義 (ハヤカワ文庫JA)

黒猫の遊歩あるいは美学講義 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

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  • 黒猫の遊歩あるいは美学講義
  • レビュー

 

黒猫の遊歩あるいは美学講義


でたらめな地図に隠された意味、しゃべる壁に隔てられた青年、川に振りかけられた香水、現れた住職と失踪した研究者、頭蓋骨を探す映画監督、楽器なしで奏でられる音楽…日常に潜む、幻想と現実が交差する瞬間。美学・芸術学を専門とする若き大学教授、通称「黒猫」と、彼の「付き人」をつとめる大学院生は、美学とエドガー・アラン・ポオの講義を通してその謎を解き明かしてゆく。第1回アガサ・クリスティー賞受賞作。

 

レビュー

 

今回は僕のいつも読んでいるどす黒い感情の渦巻く殺人事件ものとはちょっと風味の違う、最近になって本格的に流行りだしているある日常ミステリージャンルに挑戦してみました。

 

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