哲学のプロムナード(ΦωΦ)黒猫堂

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【常人不在のペダントリー】小栗虫太郎『黒死館殺人事件』 レビュー/後半でネタバレ

 

黒死館殺人事件
 

 

目次

  • 黒死館殺人事件
  • 読了へ向けての難易度の高さ
  • 具体的な魅力
  • 作中にまともな人間はいない??
  • まとめ
  • ネタバレ

 

黒死館殺人事件

昭和初期の探偵小説ブームを作った作家、小栗虫太郎の長編小説。初出は「新青年」[1934(昭和9)年]。夢野久作ドグラ・マグラ」、中井英夫「虚無への供物」と共に日本探偵小説史上の「三大奇書」と呼ばれる小栗の代表作。
豪壮を極めたケルトルネサンス様式の城館「黒死館」の当主降矢木算哲博士の自殺後、屋敷住人を血腥い連続殺人事件が襲う。奇々怪々な殺人事件の謎に、刑事弁護士・法水麟太郎がエンサイクロペディックな学識を駆使して挑む。江戸川乱歩も絶賛した本邦三大ミステリのひとつ、悪魔学と神秘科学の結晶した、めくるめく一大ペダントリー。

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井上真偽 『その可能性はすでに考えた』 レビュー/後半でネタバレ

その可能性はすでに考えた (講談社ノベルス)

その可能性はすでに考えた (講談社ノベルス)

 

 

目次

  • その可能性はすでに考えた
  • レビュー 
  • ネタバレ

 

その能性はすでにえた

かつて、カルト宗教団体が首を斬り落とす集団自殺を行った。その十数年後、唯一の生き残りの少女は事件の謎を解くために、青髪の探偵・上笠丞と相棒のフーリンのもとを訪れる。彼女の中に眠る、不可思議な記憶。それは、ともに暮らした少年が首を斬り落とされながらも、少女の命を守るため、彼女を抱きかかえ運んだ、というものだった。首なし聖人の伝説を彷彿とさせる、その奇蹟の正体とは…!?探偵は、奇蹟がこの世に存在することを証明するため、すべてのトリックが不成立であることを立証する!! 

 

レビュー 

粗い部分は多いが面白い。発想を存分に活かして作品に落とし込んでいるのがよく解る。

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