哲学のプロムナード(ΦωΦ)黒猫堂

推理小説やSFのレビュー・書評・ネタバレ解説・考察などをやっています。時々創作小説の広報や近況報告もします。

麻耶雄嵩 『螢』 レビュー/後半でネタバレ

 

螢 (幻冬舎文庫)

螢 (幻冬舎文庫)

 

 

目次

  • レビュー
    • 閑話
    •  麻耶作品について
    • 内容
  • ネタバレ

 

 

梅雨。大学のオカルトスポット探検サークルの六人は、京都府の山間部に佇む黒いレンガ屋敷「ファイアフライ館」へ、今年も肝試しに向かっていた。そこは十年前、作曲家でヴァイオリニストの加賀蛍司が演奏家六人を惨殺した現場だった。事件発生と同じ七月十五日から始まる四日間のサークル合宿。昨年とちがうのは半年前、女子メンバーの一人が、未逮捕の殺人鬼“ジョニー”に無残にも殺され、その動揺をまだ引きずっていたことだった。ふざけあう悪趣味な仲間たち。嵐の山荘で第一の殺人は呪われたように、すぐに起こった―。大胆にして繊細。驚きに驚く、あざやかなトリック!本格ミステリNo.1の傑作『鴉』から7年。鬼才が放つ新たなる野望。

 

レビュー

 

閑話

さあ『隻眼の少女』に続き、今回も麻耶雄嵩のミステリです。

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麻耶雄嵩 『隻眼の少女』 レビュー/後半でネタバレ

 

隻眼の少女 (文春文庫)

隻眼の少女 (文春文庫)

 

  

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  •  隻眼の少女
  • レビュー
  • ネタバレ

 

 隻眼の少女

山深き寒村で、大学生の種田静馬は、少女の首切り事件に巻き込まれる。犯人と疑われた静馬を見事な推理で救ったのは、隻眼の少女探偵・御陵みかげ。静馬はみかげとともに連続殺人事件を解決するが、18年後に再び惨劇が…。日本推理作家協会賞本格ミステリ大賞をダブル受賞した、超絶ミステリの決定版。
 

レビュー

 

この小説は麻耶作品の中では比較的読後感がライトなものだといえると思う。

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三津田信三 『首無の如き祟るもの』 レビュー/後半でネタバレ

首無の如き祟るもの (講談社文庫)

首無の如き祟るもの (講談社文庫)

 

 

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  •  首無の如き祟るもの
  • レビュー

 

 首無の如き祟るもの

奥多摩の山村、媛首村。淡首様や首無の化物など、古くから怪異の伝承が色濃き地である。三つに分かれた旧家、秘守一族、その一守家の双児の十三夜参りの日から惨劇は始まった。戦中戦後に跨る首無し殺人の謎。驚愕のどんでん返し。本格ミステリとホラーの魅力が鮮やかに迫る。「刀城言耶」シリーズ傑作長編。

 

レビュー

 

さて、まず何から書こうか、と迷うほど色々と詰め込まれているのがこの作品の特徴だ。

一つ断言できるのは、おそらくここ十数年のミステリの中でも指折りの傑作の一つであることだろう。

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